前立腺肥大症
名前のとおり前立腺が肥大する病気です。生命に別状のない良性疾患ですが、肥大した前立腺が、尿道を圧迫するため、排尿困難、頻尿などの病状が出ます。けれど、このような不快な症状は治療で改善されます。医師から専門医の受診をすすめられたら、早めに治療に取り組みましょう。
前立腺がん
50歳代から増加し、70歳代でピークを迎える前立腺がんは、老化による性ホルモンのバランスのくずれも発生要因の一つです。成長速度が遅いので、はじめはほとんど自覚症状がありません。けれど、がんが大きくなり尿道や膀胱を圧迫することから、排尿困難や頻尿などの症状が出てきます。症状が前立腺肥大症と似ているので年齢によるものと安易に考え、発見が遅れてしまうこともあります。早期に発見すると〝5年生存率〟は70%と高く、進行期に発見されると20%~30%と低くなります。自覚症状があって受診した人の80%~85%は、進行がんが占めているので、症状のない時期に発見し、治療することが重要です。
採血検査で早期発見を
前立腺がんで2007年に亡くなった人は、がんによる男性死者の約15.9%で、約30年前に比べると約7倍に増えています。前立腺がんにかかる人は44歳以下では、ごく稀ですが、65~69歳では人口10万人当たり191人、70~74歳で342人、75~79歳では450人、80~84歳で467人と急激に増えます。
集団検診で使われるPSA 検査は、わずかな血液を採るだけの簡単な方法ですから、50歳を過ぎたら、定期的な検診を心掛けてください。